今朝、親父からシロフサが死んだ、と電話があった。
3年前、出勤途中で、ボロボロになって路地から出てきたところを、その姿が、争議終わって路頭に迷ってた時の自分の姿に重なって、捨てて置けず、連れて帰ったまでは良かったものの、クロスケもいる事で飼いきれず、「粗略に扱うと家運(というか、オレの運)が傾く」と脅して、実家に押し付けたのだ。以来、オレは安泰に過ごして来たのだが、実家の方は、全然なつかない猫押し付けられて、噛まれるわ掻かれるわ、病院代は掛かるわ(ヒマヤランの子猫が優に6匹は買えたはず)エライ事になってたのである。
しかし、そのオレが正に危機に直面した時、最後の任務を果たして、おっ死んだのである。さすがである。常々、生き物は大事にせないかん、と考える訳だけど、大抵において、タイムリーな因果があるものである。
心ある人よ、この猫のために祈られたし。
シロフサ
2007年11月に前のアパートの近所で拾った、両足ズル剥けの怪我したヒマラヤンの♀。去年の正月に、血統書好きの親父に押し付けて、何だかんだで一年経った。こっちでかかった医者がヤブだったのか、足は全然治らず、去年の暮れに医者を変えたらしい。既に、ヒマラヤンの子猫を3匹ほど買えるほど、医者代が掛ったとか。まぁ、粗略に扱ったら家運が傾く、と脅しておいたのだが、やや気の毒な話しである。
もっとも、夏に見た時に比べれば、大分慣れたみたいで、多少触っても威嚇したりしなくなったみたいだ。足の包帯の交換も、比較的大人しくやらせている。ただし、錠剤はなかなか飲まないらしくて、オカンはしょっちゅう手を噛まれている。しかも、血が出るくらいだから、かなりキツイ噛み方だ。
まぁ、そのお陰で、オレがレースで大ケガしてないと思えば、やるだけの意義があると思うので、頑張ってもらう他あるまい。
明日は早番で朝6時起きのだが、寝る前に一筆書いておく。
寝る前に、シロフサの毛を櫛で梳いてやっていたのだが、しっぽの付け根や足を梳くと、「ぎぁ〜〜〜お」と怪獣みたいな声で鳴く。ちっとも可愛くない。何が気に入らないのか知らないが、とにかく「にゃー」とは鳴かないのだ。
で、抱っこすると、今度は「ふーっ」と威嚇してくる。まったく可愛げのない奴である。で、突発的に「ぎゃっ」と吠えてきた。ここでさすがのたにしさんも、カチーンと来た。さんざっぱら病院代かけさせやがって、毎回砂箱の外で糞しやがって、挙げ句、これかいっ!
頭に来て、シロフサの頭をぺしっとしばいたら、巣箱に潜り込んで、ぐぐぐと唸りながら、またも「ふーっ」と威嚇してくる。ここで怒りが爆発した。巣箱を逆さにして、シロフサを放り出し、「気に入らんねやったら、出て行け!」と怒鳴りつけた。
あわてて6畳間の方に逃げ込もうとするから、足で玄関の方に追いやり、「ふーっっ」と威嚇しつつ、土間から上がろうとするのを玄関のドアを開けて、「出て行け!」と怒鳴りつけた。
あわてて飛び出すシロフサ。さらに追い打ちを掛けて追いかけたら、こんな真夜中に、犬の散歩をしてる人と鉢合わせとなって、バツの悪い事になった。シロフサはといえば、隣の大家さんのガレージのバンの下に逃げ込んでいた。
ブリブリと怒りながら台所に戻り、シロフサの巣箱のタオルを取り替え、食器を洗いながら考えた。ここでシロフサを追い出すのは簡単である。このままクロスケ抱っこして朝まで寝れば、その間にどっか行ってしまうだろう。かかった病院代はまったくの無駄であるし、年末年始、猫2匹分の用意を実家にさせたのも無駄になる。シロフサの顛末を関係各位に説明するのも億劫な話しである。シロフサは、別に愛玩動物たるの任務を果たす気がないのであるから、のたれ死にしても本人は文句はないであろう。
しかし、ここで放棄したら、どうにもこれから自分の身にあまり良くない事が起こりそうな気がする。1ヶ月前に、この手の掛かる可愛げのない猫と出会ったのは、どうにも何かの巡り合わせの様な気がする。神から与えられた任務、とでも言おうか。もしそうだとすれば、任務放棄という事になる。当然、それに対する罰もあろう。引っ越しもせねばならないし、無線の免許も取らねばならない。彼女だって欲しい訳だ。いや、それどころか、林道走って転けて大ケガするかもしれないし、場合によっては、せっかく手に入れた職を失う羽目になるかもしれない。
ふと巣箱を見ると、クロスケが空になった巣箱を心配そうにクンクン臭いを嗅いでいた。せっかく出来た仲間がいなくなって、寂しそうに見えた。仕方ない。任務放棄はいかんな。
外に出てみると、シロフサは角の電信柱の下で、これからどこに行こうか、という風だった。抱き上げると、うなり声を上げていたが、暴れて逃げようとはしなかった(逃げたら追わなかった)
巣箱の前にそっと下ろし、背中を優しく撫でてやってもしばらくはうなっていた。酷い目にあえば、信用できなくなるのは当然である。そっとしておくしかないだろう。
いま、巣箱でうずくまっているシロフサのフサフサになった頭を撫でてやったら、ゴロゴロと小さく喉を鳴らしていた。今夜はこれで寝る。
今日はシロフサを病院に連れて行く日。ところが、今朝早々、砂箱の外でうんこした。
しかも、うんこした後、砂箱をガリガリやっていた。そのガリガリやっている音で、気がついたのだが、気がついた時には時遅しで、ウンコはホカホカと砂箱の外にとぐろを巻いていた。
さて、どうするか。昨日、「次、砂箱の外でうんこしたら、捨てる」と宣言したばかりである。もちろん、シロフサは知った事じゃないであろうが、これ以上は面倒みきれない。しかも、最近、気に入らない事があると掻く噛むで、ちっとも可愛くない。最初は可哀想、という事で拾ってきたのであるが、ケガも段々良くなり、身も少しついて、元気になると、可哀想の部分はかなりなくなった。
なるほど、この寒空の下に放棄するのは気の毒である。立場逆なら、途方に暮れてしまう。しかし、だったらせめてうんこくらい、砂箱でしてほしいもんだ。ちゃんとわざわざ用意してあるんだから。それをしないのだから、捨てられても仕方ないんじゃないか、と思う。恐らく、そうやって捨てられたに違いない。
捨てるくらいなら、飼うな拾うな、という話しになるのは重々承知だ。シロフサの方でも、拾って助けてくれ、とは言ってない。ガリガリに痩せて、青洟垂らしてても、そういう事は言いもしなかったし、態度も取ってなかった。だから、こっちが勝手に拾って勝手に病院連れてってるだけである。だから、シロフサにしてみれば、どこでうんこしようが、自分の勝手である。要は、勝手と勝手がぶつかっている訳だ。リセットするか、それとも継続か、悩むところだ。
今朝、起きてみると、 シロフサが、また台所でうんこしてた。 おしっこは、ちゃんと砂箱でしてるのに。 しかも、その砂箱は昨日、砂を替えたばかりなのに。 うんこだけ、しっかり板間でしてる。 砂箱からは、わずかに50センチしか離れてないのである。
見た途端、すごく機嫌が悪くなった。 「おはよう」と巣箱から出てきたシロフサをうんこまで持って行き、 背中をポンポン叩きながら、
「ここでなんでウンコするんだよ、砂箱でしろよ、お前」
と叱りつけた。 さすがに具合が悪いと思ったのか、後ずさりして逃げようとする。 まぁ、何で叱られてるのかは判ってないのだろう。 叩いたところで、判りっこないのだ。
その後も、ブリブリ怒りながら、エサの用意をした。 怒ってたせいか、昨日開けて半分残してあったネコ缶があるのを忘れて、 新しいのを開けてしまった。 エサに抗生剤を混ぜながら、シロフサに宣言した。
「この次、砂箱の外でうんこしたら、お前、捨てるからね」
古来、下癖の悪いネコは捨てられる不文律である。 共同生活を送る上で、もっともシビアな問題だからだ。 シロフサが捨てられて、ボロボロになったそもそもの理由は、 こういう事情だったのかもしれない。 だとしたら、捨てられても仕方ないところがある。
いくら気位が高いといっても、エサくれる人がガミガミ怒ってる事は、 さすがネコでも判るらしい。 神妙な態度をしつつ、エサをガツガツ食っていたが、 櫛で毛を梳いてやると、喉をゴロゴロならしていた。
昨日からシロフサの毛がやたら抜ける様になった。櫛で梳いてやると、メチャメチャ毛が取れる。で、それまで結構臭かったのが、徐々に臭いがなくなってきてる。ハゲになってるんじゃなくて、一気に毛が生え替わってる様な感じ。もっとも、毛の量が増えた様には見えないのだが、キレイにはなってる気がする。よく考えたら、拾ってきて早くも3週間が過ぎてる。その間、外で寝る事もなく、栄養満点のエサにも十分ありついて、かつ病院で治療も受け、抗生物質も投与されてるのだ。ガタガタだったのが、徐々に良くなってきても不思議はない。まぁ、年末に実家に連れて帰るまでに、見栄え良くなって欲しいもんだ。
今夜はやたらと寒い。くろちゅけはベッドで一緒に寝れるが、シロフサは台所で箱の中で一人で寝て貰わねばならない。タオルの下には使い捨てカイロがあって、風も吹きこまないから、外に比べたら楽かもしれないが、それでも寒いのだ。まぁ、可哀想だが、完全に病気関係がクリアになるまで、辛抱してもらうしかない。
明日からキャンツーなので、さっき、シロフサを病院に連れて行った土曜日のセンセは、若い青白い青年であるが、今日はヒゲダルマの院長である。ヒゲダルマであるが、犬猫病院やってるだけあって、優しい人である。
まず、足の傷の化膿が治ってない、という事で、毛と一緒くたになったカサブタを剥がす事になった。エリザベスカラーを付けられ、女の子の助手二人に手足をがっちり持たれ、蒸留水でかけてカサブタをふやかして剥がすのであるが、あれは、痛い。そりゃ、ふ〜〜〜って言う筈である。ヒゲダルマの話しによると、どうもこの傷は、肉がえぐれた傷で、大分盛り上がってきてるが、カサブタが邪魔して治りを悪くしてるらしい。大分良くなってきている、との事で、バンテージするのは様子見て、取り敢えずそのままにしておく事になった。
抗生物質飲ませてる割りには、効きが悪い、という事で、膿の検査をする事になった。要するに、薬の効かない菌が入ってるか調べてみない事には、タダ単に治りが遅いだけか、効果がないのか判らんのだそうだ。
フラフラしてる原因も、単に栄養が足りないのか、他のヤヤコシイ病気に罹っているのか、検査の結果が出ない事には判らない、との事。まぁ、結果がグリーンであれば良いが、レッドの時には、苦渋の決断をせねばならんだろう
本日の病院代、6363円。まったくもって、馬鹿な事してるなー、と思う。恐らく、「イイ話し」の部類に入るのだろうが、
それは赤の他人が見たら、の話しであって、ウチの親共からは、アホぼけカスの3拍子で怒られてる。その通りなんで、反論もできん。恐らく、これは神がオレに与えた試練なのだ
今朝、ネコどものエサの用意が終わり、自分のエサの用意をしていて、ふと振り返ってみると、クロスケとシロフサが、鼻先をツンツンしあっていた。まさに『未知との遭遇』みたいだった。もっとも、シロフサの鼻は光らなかったのだが。
台所の引き戸をしっかり閉めてなくて、隙間からクロスケが侵入したらしい。「こらこらこら」と二匹を引き離し、クロスケを6畳間の方に追いやった
シロフサは、エイズにもウィルスにも罹っておらず、目やにも青洟も止まり、ノミも駆除出来たっぽいものの、まだ身体を洗ってない身である。どんな病気を持ってるか、まだ予断を許さないし、第一、クロスケに比べると、まだ汚いだから、まだ接触されては困るのである。
しかしまぁ、どっちも興味津々で、あまり拒絶反応を示さなさそうである。本チャンのご対面の時が楽しみだ。
- 今日:
- 昨日:
- 累計: