おととい、やっとこさネコを病院に連れて行った。この一年続いたビチビチと、秋口以来ぐずついている鼻を治してやる為である。もっと早い内に連れて行ってやれば良かったかもしれないが、済んだ事はとやかく言っても始まらない。
 診断の結果、ビチビチの原因は、虫とかではなくて、腹に出来物が出来ててリンパが腫れてて浮腫が出来掛かっている、という、これまたぞっとしない内容であった。だったら、まだ虫が涌いていた方が良かったかもしれぬ。どう考えても、完治させるには相当な事をせねばならない。人間だったら、間違いなく外科手術である。そして途方もない金が掛かるだろう(社会保険がないのだから)。病院に連れて行って正解だったのかそうだか、何もしないよりは罪悪感が薄れるとは思うが、取り敢えずはウンアザリする話しである。一体全体、2年前の子宮蓄膿症の時と言い、何だってこんなヤヤコシイ病気にばかり罹るのだろう。不思議としか言いようがないのである。
 昨日も連れて行ったのだが、結局対処療法で状況を見る事になった。扶持の主治医(という事になるのだろうか)は、オレと同年輩の男性で、オレのもう一つの顔の方にも理解のある人物であるが、さすがに良く判っているらしくて、外科手術は勧めなかった。「普通に、食って動いて出してれば、取り敢えずは良し」というのが、基本方針との事。裏を返せば、血統書でもあるまいし、高い金掛けて延命治療をするだけの価値のあるネコではないのだから(その価値は、飼い主の価値観であるから、その程度は推し量れないとしても)、くたばる時は寿命という事にしましょう、という事なのだ。オレの本音がそれであるだけに、口に出して言わなくても判ってくれるところが有り難かった。
 病院に連れて行ってやったからでもないだろうが(ネコにしてみれば、病院は恐怖の館以外の何者でもないだろうから)、やたらベタベタと懐いてくる。いっしゅく撫でてやらないと、にゃあにゃあ鳴いて催促してくる。先ほど、ベーコンの炒めたのを一切ればかりやったが、旨そうにペロリと食ってしまった。エサも良く食うし、元気そうだし、ビチビチであってもしっかり出す物出しているのだから、痩せてても取り敢えずは元気なのだ。一体どうなるやら判らんが、面倒みれるだけ見てやるつもりである。一昨日の診察代4,830円、昨日の診察代6,510円(7日分の薬代を含む)。