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 この本を7月に初めて見た時は、「さすらいの〜」に比べると魅力が低い感じがしたので、買おうとは思わなかったのだが、寺崎さんの本はあまり本屋にないので買っておいた。
 この本は一応、「さすらいの野宿ライダー」の改訂新版という位置付けらしく、旧版になる「さすらいの〜」は廃版になったらしい。
 大きな違いは、前作はイラストが中心だったのに対して、新作では写真が中心な事。よりノウハウ色が強くなって、カタログやレシピ集の様に見える事。やってる事の内容に格段の変化があるのではないが、雰囲気がガラリと変わった風に感じるのは自分だけだろうか。この本が刊行されたのは1997年。刊行されて9年経ってから読んだという意味で、「さすらいの〜」と同じなのだが、前作と違い古さを感じるのは、写真が多用され、紹介されているアイテムのかなりが生産終了して売ってないからだろうか。
 ただ、写真になってかえって分かり易くなった部分もあって、特にバイクの整備の部分では、パンク修理に5ページを費やす力の入りようで、パンク修理などした事がない自分にとっては有り難かった。だからハウトゥ本として見れば、完成度の高い内容だと思う。前作がどちらかというと、野宿ライダーのスピリッツの様なものを感じたのに対して、新作の方ではテクニックとか技術というものを強く感じた。
 なによりも違いを感じるのは、前作はおもしろ可笑しい感じだったのが、新作では真面目というか、やや暗い感じになった事。「さすらいの〜」の時は寺崎さんは27歳、「新野宿〜」では42歳。やはり年齢を重ねられて、人生の酸いも甘いも噛み分けられた、という事であろうか。自分も友人を亡くしているので、何となく判る気がするのだ。