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 用事から帰ってきて、ベッドに寝転がりながらウトウトしてしまったらしい。すごく変な夢を見た。田舎の廃屋同然の家で、農村の過疎と格差社会を風刺した寸劇をやっていて、それに今も付き合いのあるとある争議団のUさんが、蓑をつけ、これ見よがしのデカイ出刃包丁と桶をもった“なまはげ”の扮装で、なのに顔だけお面なしのスッピンで、「悪い子はいねが〜!」と出てきたのが、あまりにも似合っていたので、写真撮っておこうと自分のD70sを探したが、D60(そんなんあったっけ)とかF70Dとかは出てくるのに、自分のD70sがなかなか出てこない。とうとうそのシーンは写真を撮れず終わってしまい、それどころか寸劇も終わってしまい、誰もいなくなっているのに自分一人、夕陽差し込む廃屋の中でD70sを探し続ける、という、それはそれはオトロシイ夢だった。

 何でそんな夢を見たのか、理由は直ぐに判った。枕元(というか、枕にして寝てた三つ折りにして端にどかしてた布団)に寺崎勉さんの『野宿ライダー、田舎に暮らす』(山海堂)があったからだ。先日、ヤフオクでやっと手に入れた本だ。前から読みたかったのだが、今から8年も前の本なんで、書店にはもはやなく、アマゾンに頼んでいたが変な広告メールばかりで肝心の本は探さず、出版社に直に電話して聞いてやろうかと思っていたのだが(実は、地区労の事務所の近くにあって、争議中にオルグに何度も行っているのだ。世間は狭い)、たまたま先日、他の本2冊と抱き合わせで210円+送料650円でゲットしたのだ。
 読んでみた感想は、「……楽しそうだが。。。ワシには出来ん」だった(爆)。というのも、こうみえても都人でシティーボーイなワタクシ、さすがにど田舎の廃屋を住めるようにしたり、性悪な虫と闘ったり、そういうのはダメなのである。日曜の夜はコンビニで月曜発売のヤンマガで「赤灯えれじい」(きらたかし著)が読めなければダメなのである。「さすらいの野宿ライダー」に絶大な影響は受けたが、この本は影響受ける前に“悪夢”にうなされた訳だから、やっぱり都人(一応、京都のしかも今の京都より古い都出身)でシティーボーイ(すでに京都にいた期間より東京にいる期間の方が長い)な自分には、ちょっと真似できなさそうである。
 最後の方に出てくる、飼ってた犬が死んで火葬する話しや、ネコが失踪していなくなったり、子猫拾ってくる話しは、犬猫飼った事ある人なら泣ける話だ。寺崎さんは、もしかしたらペット本も書けるんじゃないだろうかとさえ思った。もっとも、ネコに牛乳やるのはよくない、という前カノの主張と反するのだが。。
 今、田舎暮らしや就農とかが密かなブームっぽいのに、この本がその種の本を扱うコーナーに置いてないのは、いささかおかしいんじゃないか、と思えるほどの力作でありました。