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 今売ってる水筒は、大抵はプラ系かポリ系で、金属製の物はあっても火に掛ける事は前提とされていない物ばかりである。水筒を火にかけるという発想そのものがないと思う。しかし、今から40年ほど前までは、水筒を火に掛けるという発想は普通にあった様である。ヤカン水筒なる製品が売られていたのだ。もっとも、湯たんぽとして使うためのものだったらしい。
 水筒を火に掛けるという発想は、旧陸軍が発祥の様である。水質の悪い水を焚き火に水筒を突っ込む事で煮沸して殺菌してから飲む様にしてたのである。そのまま生水を飲めば、もれなくアメーバ赤痢とかになってしまうからである。まぁ、いつでも清潔な水が手に入る現在では、あまり必要のないプロセスである事には違いない。
 ともかく、当時の日本軍の水筒は火に掛けれた訳だが、当時の水筒に水を入れて使う気にはさすがにならないので、実用を考えるならばレプリカしかない。そこで、レプリカの九四式水筒を手に入れた。出品者からの注意事項としては、水を入れて使うのであれば、洗剤や砂を入れて中を撹拌して洗浄したり、煮沸して消毒して下さい、との事だった。そこで、直接火に掛けて水を沸騰させる事は出来るか、もし可能ならば焚き火に突っ込んで使いたいのだが、と質問してみたところ、焚き火に突っ込むと塗装が剥げるかもしれないので、せいぜい煮沸消毒程度が良いでしょう、という答えだった。
 そこで、米の研ぎ汁を用意して深鍋に水筒を水没させて、約10分煮沸した。米の研ぎ汁を使ったのは酸化皮膜を作るためである。で、時たま転がしながら10分煮沸したのであるが、引き上げてみてビックリ。所々塗膜が剥げているのである。別にどこかに傷があった訳ではないし、そもそも一度も使った訳ではない。つまり、めっちゃ塗膜が弱いのである。焚き火などに突っ込んだら、たちどころに塗膜が壊滅したに違いない。
 もっとも、昔の古い水筒で塗膜が剥げたのはあまり見かけない。軍の仕様書の方には、爪を立てても剥げないくらいに塗れ、と書いてあったそうなので、結構頑丈な塗膜だったのだろう。まぁ、中国製のレプリカであるから、さっとスプレーしただけなんだろうな。煮沸しなくても普通に使ってるだけでも剥げたかもしれない。どのみち、似た様な色を塗り替える事になるだろうな。