たにしのつぼ焼き

あれもしたい、これもしたい、もっとしたい、もっともっとしたい〜♪

感想文

『The Man In The High Castle』

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 こないだ、Amazonビデオで『高い城の男』のシーズン4が公開されたので一気見した。既に原作から大きく話しが外れているのだが、テレビシリーズはそれそのものの作品として見れば、それなりに面白い。自分は日本人なので、出来れば日本側のパートはモチっと丁寧に作って欲しかったなー、と思わないでもないが、木戸警部役の人初め、出来る限り一所懸命“日本人”をやろうとしてたのには好感を持てた。
 さて、歴史改変SFなこの作品であるけど、この作品の根底にあるのは、やっぱりアメリカ人好みの「家族」だの「愛」だのと言った事なんだな、と感じた。いや、嫌味な意味ではなくだ。特に顕著なのは、ジョン・スミス元帥の抱えた苦悩。あれは辛そうだ。北米で一番偉い地位にありながらドイツの風下でビクビクしなきゃならない立場。反発と信奉する家族。権力者であるだけに苦悩が大きいのが辛い。ラストで予想外のどんでん返しで一切合切チャラにしたと思ったのも束の間、とても残念な結果になる。
 権力者が苦悩する作品は色々あるのだけど、このテレビシリーズはそれこそがテーマだったのかもな、と感じた。これは原作では全然触れられてない部分である。つか、あの原作を、ようここまで変えたなー、と感心する。その意味で、歴史改変の部分は、もはやどっちらけになってしまっているのだが。
 感心するところも多く、またツッコミどころも多い作品だったが、改めて原作を読んでみたくなった。本棚のどっかにあったはず。



 


『東京の下層社会』

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 この本は、たまたまツイッターで早川タダノリ氏が紹介してたのを見て、興味持って取り寄せた。Amazonのとある書店から取り寄せたのだが、カバーに直接べったりタグのシールが貼られていたのをみて、怒り半分萎え半分。いくら古本だからと言って、扱いの雑さに閉口した。中が綺麗だっただけに、残念な事である。とりあえず、文句を先に書いておく。

望遠鏡と顕微鏡
 この本の冒頭に書かれていた「ノスタルジーとは、いわば望遠鏡を逆さに覗くようなものである」という言葉は、非常にグッとくるものがあった。この本は、明治から昭和初期にかけての、東京での貧困問題を扱った本であるが、この言葉は、歴史を学ぼうとする人にとって、箴言の一つだろうと思う。
 例えば、自分がツイッターでフォローしている人の中には、真剣に旧日本軍の研究・保存活動をしている人や団体がいくつかあるのであるが、その活動を高く評価しつつ、見過ごされ、忘れられようとしてるものがあるのではないか、という気持ちが無いわけでは無い。いわゆる軍隊におけるイジメ、シゴキ、嫌がらせ、「人の嫌がる軍隊に」の部分の研究や再現は、ほとんどされてない様に思う。かつて日本の軍隊経験のある人にとっては、それこそが日本の軍隊の有様であったろうと思うのだが、そうしたリエナクトプレイも見かけない。
 しかし、それは責められる事では無いのだろうな、と思う。というのも、過去のそうした事に興味を持つ第一歩は、「恰好良さ」であり、ついで「素晴らしさ」であろうから、そうしたものを追究していくのは当然の流れであり、暗部には出来れば触れたく無いのは至極自然な事である。「捧げ銃」だの「セミ」だの「自転車」だの、さらには「体前支え」だの、対抗ビンタや上靴や帯革ビンタなんかやってる団体があったとしたら、もう、ただのサドマゾ団体にしか見えないと思う。
 「おしん」という有名な朝ドラがあるが、これとても当時としては超ラッキーなスーパーガールの話しである。ドラマであるから、そういう子を主人公に据えなければドラマにならないのであろうが、現実的な視点にたてば、女工哀史を地でいった、おしんの姉のはるこそが、おしんの時代の主たる少女だったと言えると思う。

 とまぁ、分かった様な事を偉そうに書いたが、自分も偉そうな事を言えた義理では無い。では、この手の本を読んだからと言って、貧困問題に立ち向かったり、何か思いを致したりする訳でも無い。遠い時代の、あるいは遠い国の、小汚い有象無象を、興味本位で覗き見してるだけである。顕微鏡で微生物が蠢いているのを覗いている様なものだ。
 結局のところ、大した事はないのだ。精々「自分はこんな風でなくて良かった」と思うくらいである。もしかしたら、何か辛い事があったら、ふと「あれに比べたらマシ」くらいには思うかもしれない。でも、自分が「そこに居なかった」というのは、決定的に些かの共感も同情の念も生じさせないのだ。自分は小物である。







『夫の扶養から抜け出したい』

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 「おまはんは一日何しとるんや」と言うのは、自分が嫁さんに一番よく言う小言である。嫁さんは今時珍しい完全専業主婦である。我ながら嫁さんに専業主婦やらせてるのは凄いな、と思う反面、その鮮魚主婦が一日中、ゴロゴロネットして遊び呆けとるか、昼寝しとるか、そんな風に思えない時がしばしばある。廊下に落ちてる嫁さんの抜け毛や埃、雑草ぼうぼうの庭、風呂場や便器の水垢、いつまでも干しっぱなしの洗濯物、昼前から始める洗濯、雨水で汚れた窓ガラス、起こさんといつまでもフカみたいに寝てる、、そう言うのを見てると、「オンドリャ、一日何してけつかる!」と思うのである。
 実際の所は、色々やっている。掃除に洗濯、部屋の片付け、あれやこれや、いろいろやっているのであるが、人間と言うのは粗の方が目立って見えるもので、姑めいた目線でしか見れないことが多い。特に、体や心が疲れてたり、物事がうまく運ばなかったり、要するに、気持ちに余裕のない時に、そうなる傾向が強い。小言をタレつつ内心では「何年かしたら仕返しされるかもなー」とか慄いた気持ちにもなるのだが、やっぱり小言が口を突いて出てしまうのである。
 この作品を読んで、旦那さんの気持ちもよく分かるが、「そらあかんやろ?」と思う事も多々あった。働かせに行かせながら、仕事も育児も家事もパーフェクトに、と言うの無理がある。稼ぎが少ない事を責めるのは不当である。ましてや、同等に稼いで来いと言うのは暴言以外の何物でもない。それがために、主人公が扶養から外れれるほど稼げる様になった時、捨てられそうになったいる。稼ぎ頭としての意義を自ら放棄したのだから。
 嫁に、特に小さい子がいる母親に働きに出ろ、と言うのは、世の中が悪政でデフレでブラックといった事情があったにせよ、男の甲斐性の無さを物語るものである。一所懸命やってるのは間違いないと思うし、それでもままならなんから、気持ちに全く余裕がなくて言葉がキツくなるのであろうが、それでも言って良い事と悪い事があるのである。働いて貰わねばならぬのなら、膝を屈する必要があるのだ。
 自分はたにし母から色んな話しを聞かされて育ったのであるが、その中に「『誰に食わして貰ろてる思ってんねん』は男が嫁さん子供に一番言うたらあかんセリフや」と言われてきた。それを聞いてた時は、単に男が格好悪い事言うな、くらいにしか思ってなかったのだが、これは責任の問題であったのだ。それを放言してしまうと言うのは、男の責任を放棄したも同然、と言う事なのである。
 愚痴や小言は言わない方が格好いいが、まぁ、そこまで聖人君子でもないから、文句は言うても良いとは思う。しかし、この作品に出てくる旦那の様な事は、言ってはならないのである。






『SF核戦争後の未来・スレッズ』

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 この作品は1984年のものらしいのだが、自分が初めて見たのは、深夜のテレビだった。すでに「デイ・アフター・トゥモロー」は見ていたのだが、同じテーマでもアメリカ人とイギリス人では作り方が全然違うんだなぁ、と感じたものだ。「風が吹くとき」もそうだが、この作品には救いがない。本当に救いがない終わり方なのである。
 令和の時代が始まって、昭和末期のあの「世界最終戦争が起こる」という世情は、全く理解されなくなった。核兵器は依然として存在し、パキスタンだの北朝鮮だのが開発する様な時代になったが、もはやそれを使った最終戦争が起こるなど、誰も実感してない。あべりょうが歌っている様に、ちょっと威力の大きな爆弾程度のイメージしか持たれていない。
 そういったイメージしか持ってない人にとっては、この作品もホラーなフィクションにしか見えないんだろうな、と思う。まぁ、それでも仕方ない。それでも良いから、全面核戦争が起こったら、どういう風になるのかというのを、この作品を見て是非知って貰いたいものである。
 この作品、長らくディスク化されてなかったのだが(昔、VHSではあったらしい)、この度、DVDとBlue-rayが出たので買う事にした。実はテレビを買い替えて、まだ新しいのが来てないので見れないのだが、一等最初にデカイ画面で見るのはこの作品である。改めて見て、どう感じるだろうか。

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パッケージの写真がショボいのは恐らくキャプチャー画像だから
スチールなんか残ってないんだろうな、古くて





舞鶴引揚記念館

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鬼気迫る黒パン分配シーン

 例年なら帰省は夏にやってるんだが、京都の夏はクソ暑いし、嫁さんの方にも行かなきゃならないんで、夏はちょっとでも涼しい嫁さんの方にして、京都はゴールデンウィーク前半に繰り上げる事にした。今回もトランポで夜通し走って帰省する事にしたので、現地に着いてからの行動の自由度が高い。そこで嫁さんにどこに行きたいか聞いたら、今回も「海が見たい」との事。京都で海といえば、丹後半島なのだが、ただ単に海を見ても詰まらんので、天橋立に行く事にした。
 ところが、あんなとこでも人出は多く、京都縦貫道は渋滞するし、着いたら着いたで最寄りの駐車場は全部満車。とてもじゃないが砂州に近づく事が出来ず、成相寺とか言うとこの高台から見下ろして終了。普通、駐車場というのは、一台いくらだと思うのだが、ここは一人500円だった。商魂たくましい事である。

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日本一 成相山パノラマ展望所
右の方に天橋立が写ってる


 さて、自分はここに来たら、是非行きたかった所があった。それは舞鶴引揚記念館である。舞鶴と言えば、海上自衛隊の軍港か、岸壁の母くらいしかイメージがない。しかも、自分が小学生の頃に護衛艦見に行った時は、引揚記念館などまだ無かった。話しだけは伝え聞いていたので、日本飯盒協会の会長としては、是非見てみたかったのだ。
 入場料は300円、のはずなのだが、財布をトランポに忘れて、気の弱い嫁さんに入場券買わせに行ったら、「400円ですと赤れんが博物館もご覧いただけます」と押し切られてしまった。
 それはともかく、入場料300円であるので、それほど大きな博物館ではないのだが、自分的には見応え充分。やっぱり現物を見るのは良いものである。ただ、若干不満があるとしたら、シベリア抑留での「民主化運動」の事はほとんど触れられておらず、わずかに日本しんぶんの展示があった程度。まぁ、諸々問題があってやれないんだろうな、と察しておいた。

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こじんまりとしたモダンな建物
駐車場は広くて、余裕持って停めれました

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ラーゲリの再現コーナー
気温も再現してくれたら、悲惨度がアップしたのに

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展示品の一角を占める「生きるのに必需」な品々


 大型連休2日目の舞鶴は、様々な催し物があった様で、軍港では艦艇の見学もやっていたし、赤レンガ倉庫ではトライアルのデモ走行もやっていたのだが、天橋立で余計に時間を取られたせいで、これらは見て回る事が出来ず、引揚記念館と抱き合わせで料金払った赤れんが博物館を最後に見学した。
 元は海軍の魚雷庫だった建物を活用した博物館なので、海軍関係の資料館かと思ったら、文字通りのレンガの博物館で、古今東西のレンガ(の遺物)が収集されていて、古代メソポタミアの粘土板(しかも小言書いてあるやつw)や、アウシュビッツのレンガまであったのには驚いた。
 まぁ、世の中には色んな興味を持っている人がいるし、その中にはレンガに興味持っている人もいるだろうから、そんな人には嬉しくて堪らないであろうが、あいにくレンガにはそれほどの興味がないので、ほほう、くらいにしか思わなかった。まぁ、引揚記念館で飯盒に興味示してたのが、自分くらいしかいなかったのと同じである。

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赤れんが博物館
門がちょっとアウシュヴィッツっぽい


 さて、引揚記念館で土産物を買ったのであるが、この土産物のラインナップに不満があった。バームクーヘンだのタルトだのクッキーだの、さらには海軍カレーだの、そうしたものでなく、どうしてロシアの黒パンとかスープの素など、シベリア抑留にちなんだ物を置かないのか。成城石井にだってあるのだから、置けない事はないだろうに。赤れんが博物館も同様で、レンガショートブレッドとか粘土板チョコなどおけば、面白がって買っていくのではなかろうか。舞鶴だからと言って、直接海軍に関係ない施設まで、海軍がらみの品物置く事はないのにと、ちょっと残念であった。黒パンとスープの素は、是非とも実現して欲しいものである。

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舞鶴引揚記念館で買ってきたお土産
引揚なんだから海軍はあまり関係ないだろうに

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全然関係ないけど、静岡のサービスエリアで売ってた
やきとりの巨大缶詰
こういうのには惹かれてしまうw






明神そば

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 自分は関西人のくせに、ウドン派でなく蕎麦派である。しかも関東の色の濃い汁の蕎麦が好きである。中でもかき揚げそばが好きなので、どの店に入っても、かき揚げ蕎麦しか頼まない。つまり、蕎麦とかき揚げでその店の良し悪しを判断するのである。
 職場の近くの御茶ノ水駅脇の明神そばは、もうかれこれ15年以上、断続的に食べているのだが、ここの何が良いと言っても、かき揚げが分厚くデカいのだ。これが非常に嬉しい。実は昔はもっと分厚かったのだが、値上げ出来ない分、少々薄くなってしまった。それでも他所の店よりも全然分厚い。かつ、サクサクした食感でとても良い。中にはぺったんこでお好み焼きみたいなかき揚げを出すところもあるので、それと比べたら非常に美味しいのである。
 蕎麦自体の味は、最初のうちはあまり好きになれなかった。昆布の風味が強く、鰹出汁に慣れてたからだ。それでもかき揚げの分厚さに惹かれて食べてた様な面がある。昔は、秋葉原の安曇野という駅そばが大好きだったのだが、駅舎の改装で無くなって以来、安曇野に匹敵するかき揚げの分厚さは、明神そばくらいしかなかったからである。もっとも、蕎麦の味も5年もしない内に慣れてしまった。
 自分が明神そばを食べるのは、新橋の馴染みの床屋で散髪した時、と決めている。出勤までに時間があるからである。今日も立寄ったのだが、自分の前の客が蕎麦2倍を頼んでて、何だか羨ましくなった。昔だったら2杯くらいペロンと食べたのであろうが、今は1杯でお腹いっぱいである。










『移動都市/モータル・エンジン』

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 この映画はまったく何も知らなかったのだが、たまたまYoutubeで予告を見て惹き込まれた。巨大な都市が地上を疾駆すると言う絵面は、それだけで迫力がある。
 話しの中身は、昔の戦争で文明が崩壊して、生き残った人が縮小再生産の生活を送る中、悪い奴が昔の技術を復活させて世界を支配しようと目論むものの、主人公たちによってその技術もろとも滅ぼされる、と言う定番のもの。その意味で、この作品も目新しさは全然無い。そこで繰り広げられるドラマも、そのプロットの上に乗っかっている以上は、他の作品と大同小異である。
 この手の作品の大なる魅力は、やっぱり舞台装置なんだと改めて感じさせられた。この作品で言うなら、ロンドンを始めとする移動都市や空中都市、楯の壁といったものである。実はこの映画を観ながら、ずっと「この都市の動力や耐用年数、建造費はどんなんだろ」みたいな事を考えてた。その意味では、本作の前日譚の方が興味があると言っても良い。同じ様なことは「風の谷のナウシカ」でも感じてたりするのだ。
 しかし、あんな巨大な都市を動かすテクノロジーって凄いなと思う。そんな凄いテクノロジーがあるのに、都市同士が共食いする様な生き様しか出来ないと言うのが悲しい。量子兵器を復活させても、それを生産力に回すのでなく破壊力にしか回す能しか無いところが救い難い。ここまで荒んだ精神になってしまった経緯こそ知りたい、と思う訳である。
 この映画、そんなに評判が良く無いとの事だが、自分は結構楽しめた。と言うか、映画のストーリーを楽しむと言うより、その世界観をあれこれ考えるのが楽しい。おそらく、映画では描ききれなかった事が原作には書かれているのだろうから、一度読んでみたいものである。








『アリータ: バトル・エンジェル』

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 夫婦のどちらかが50歳だと、夫婦割で二人で2200円で映画が観れると言う。だから「早く50歳になってくださいヨォ〜」と言う不躾な嫁さんが観たがったのがこの映画。木城ゆきとの『銃夢』が原作のハリウッド映画なのだが、自分がまず感じたのは、随分と古い作品が映画化されたなぁ、と言う事。まぁ、古い作品が実写化される事は珍しく無いのだが、『銃夢』って、それが連載されてた当時としても、結構マイナーな印象だったので、「どしてまた?」と言うのが率直な気持ちだった。ついでに言うと、顔は女の子なのに首から下が機械と言うのがあまり好きになれず、掲載誌でチラっと見かけただけで、原作は全然読んでない。だから、純粋に映画の感想である。
 天界にセレブが住んでて下界のスラムに貧乏タレが住んでる、と言う世界観は、「エリジウム」なんかでも描かれているのだが、この作品では上の世界(この作品では空中都市ザレム)を希求するほど、それほど下界が嫌な感じには描かれていない。確かに弱肉強食の世界ではあるのだろうけど、それはそれでいいんじゃ無い?と言う感じに見える。現実の世界でも、南アフリカとか南米とかの貧富の激しい国にある世界観、都市感みたいな、それでもみんな生きている的な感じに見えて、そこまでザレム行きを希求するのは、なんか不自然な様な感じがした。ちなみに、原作読んだ嫁さん曰く、原作ではその辺りがちゃんと描かれてているらしい。
 モーターボールの場面は、スーパークロスやスーパーエンデューロ好きなアメリカっぽい感じが描かれてて、とても楽しめた。主人公のアリータが、初めて見たモーターボール(の遊び)に直感的に興味を持ち、飛び入りで参加してボコられても逆に発奮して、天性の才能でやり返し、最終的にはモーターボールのスター選手になるのは、現実にもモトクロスや格闘技に入っていく女の子がいる事からも、むしろ「こうやって入っていくんだろうな」と現実感のある印象を持った。ちなみに、アリータをゴミ捨て場から拾ってきて再生し、実質父親代わりになるイドが、アリータが初めてモーターボールの試合に出る時に「ヘルメットはつけろ、URMの技術は壊れたら直せない」と言うシーンは、とても親身に感じた。
 総じて楽しめる映画ではあったが、まぁ普通。脚本の問題なのかな、惹き込まれるものが少ない感じがした。3部作の1作目らしいが、2作目は作られるのかな。








台湾料理 弘祥 佐倉店

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 自宅からトリンバに向かう道すがらに見つけたのがこの店。嫁はんが入りたいとせがむので入ってみたら、自分が気に入ってしまった。というのも、安い割りには意外に美味くて、しかもメニューが豊富なのだ。
 実は今日も嫁さんが行きたいというので行ってきたのだが、それもそのはず、ランチタイムで600円のメニューがある時間帯だったのだ。ランチといっても種類が豊富で、20種類くらいある。全品制覇するにはなかなか時間が掛かる訳だが、自分はどれを頼むにしても、必ず鶏の唐揚げを頼む事にしている。普通に売ってる唐揚げの4倍くらいの大きさで、衣がカラっと揚がっていて、たれ塩がこれまた美味いのだ。これで100円は安い。ちなみに、ランチメニューはご飯お代わり自由なので、なおさらリーズナブル感が高い。
 この店、安いのだけど、手抜き感とか棒引き感というのは全然感じられない。店の構えこそ、どっかのコンビニを居抜きで買い取って改装した感じで、たしかにトラックの運ちゃんとかが好みそうな感じなのだし、値段設定も上級市民をターゲットにはしてないのは明らかなのだが、美味いだけあってリピーターが多い様である(自分もその一人なのだが)。ちなみに、店は広く、席数も多いので、いつ行っても待たされる事がないのも嬉しいのである。
 台湾料理とは銘打っているが、必ずしも台湾料理ではない。ゴシップ好きの嫁さん曰く、華僑が経営するチェーン店で、労働ビザで来てる中国人に雇用を作るための店との事。ホントかウソか分からないけど、美味くて安いんだから、こちらとしてはその辺りの裏事情は気にもならない。店員の共通語は中国語だが、当然のこと、日本語もしっかり通るので大丈夫である。 最後に注意だが、ランチメニューでないレギュラーメニューには、たいてい唐揚げが2個付いてくる。うっかり間違えて唐揚げ頼まない様に。腹が満腹すぎてえらい事になる。






考える映画〜塚本晋也版『野火』

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 考えさせる作品、というのはよくあるが、「考える作品」というのは、あまりない。昨日、渋谷のユーロスペースで塚本晋也監督の『野火』を見終わったあと、帰りの道すがら、この映画の意味を考えずにはいられなかった。
 自分は原作も読んでいるし、1959年の市川昆監督の『野火』も見ている。ついでに言えば、大岡昇平の「レイテ戦記」始め、様々な戦記や史料を読んでいて、一緒に鑑賞した人たちよりは多少知識があるつもりもしている。しかし、それでいて、この映画の意味を一から考えずにはいられなかった。
 そこで、一晩考えて得たそれなりの答えが、「これは現実、リアルなんだ」という事だった。『プライベート・ライアン』を観た時にも感じたが、いっそ、スクリーンから臭いも漂って来る様な設備があれば、もっと効果が高かったろうに、と思う。
 大岡昇平の「野火」は、戦争文学として最高峰の作品だと思う。戦争に神性を持ち込む作品は多くある訳だけど、この映画では、その辺りをバッサリ切ってしまった。塚本監督もその辺りを狙ったのだと思うが、自分が生きてる方が不思議なくらいの、食うか食われるかの状況では、神云々はもはや度外視されていたのだと思う。
 この映画を見終わったあと、率直に「この映画は「大作」ではない」と感じたのだが、それは作品がお粗末という意味ではない。この映画の目線が、徹底して従軍した一人の兵隊の目線で描かれていたからだ。どの戦争にも英雄譚はあるのだが、個々の兵隊とは無縁なものである。原作では、ストーリーに神性を持たせ、主人公にそれに触れさせる事で、ドラマ仕立てにした。文学なのだから当然の事である。しかし、個々人の体験には、そんなものはない。ただただ悲惨、しかし自分だけではなかったのだ。個々人の体験は、大作ドラマではない。
  その意味で、この映画は、70年前の戦争の話し、という感じでなく、現代の話しの様に感じた。これは非常に重要な事だと思うのだ。1970年代くらいまでの戦争映画や兵隊映画は、実際に戦争や軍隊に行った人が、演じ観る時代だった。それ故に、同時代人としての誤摩化しのなさや共感といったものが感じられた。後世の自分にとっては、当時の人の生の声を感じる事が出来る。ところが、戦中世代がどんどん死に絶えて行ってからは、そうした映画も段々と英雄性を持ち始め、今や神話にさえ化している。そうした作品によって培われた戦争観を打ち砕く意味が、この映画にはあるんじゃなかろうかと思う。
 この映画は、考える映画である。この映画に何を見出すか、そこから何を感じ、考えるか、各人、思いを馳せるべきである。





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