自分のこれまでの人生を振り返ると、大抵は一番最初に買った物は無駄にしてしまう事が多いのだが、改めて買い直した時は存分に活用する、というパターンがある。今回取り上げるポータブル電源もそうなると思う。
 ポータブル電源は、前に冬場の車中泊で電気毛布が使えないか試した時に買った事がある。結論からいうと、朝まで使えないという事で役に立たないと判定し、その後使い道も無かったので新築祝いで人にあげた。ただ、当時はポタ電の容量や消費電力を計算するという能が全くなかった。今計算してみると、「容量400Wh×0.8÷消費電力60W=使用時間5.3h」という事で、どだい8時間持たせるのは無理だった事が分かる。実際は4時間くらいでタイムアップしてたから、性能が額面割れしてた可能性もある。



 さて、最近になってまたぞろポータブル電源を気にし始めたのは、あまりにクソ暑くてマキタの扇風機では威力不足、工場扇を使いたくなったからだ。となると、ポタ電がない事には使えないからである。工場扇は最強で消費電力が107Wとの事。2日間使うと考えて、稼働時間は最低でも5時間は欲しい。上の式に当てはめて必要とする容量を計算すると、700Whくらいの容量が必要という事になる。そのくらいの容量のポタ電はいっぱいあるのだが、だいたい値段が10万円くらいである。悩ましい値段である。
 ポタ電の事を調べてて気になったのは、年間20件ほど発火事故が起こっているという事。発火原因は様々らしいのだが、一つ言えるのがリチウムイオン電池が三元系のもので事故が多く、しかも発煙、発火だけでなく、有害ガスも出すという事。それに対して、最近はリン酸鉄系のリチウムイオン電池が出始めてて、そっちは事故が少なく(まったくゼロではないらしい)、発煙はしても発火もガスの発生もないらしい。
 そんな訳で、当初は老舗のJackeryを検討していたのだが、三元系の物しかないので見送り。色々調べていて、BLUETTIがリン酸鉄系でしかも機能がとても良く、最近人気である事が分かった。特にEB3Aというのは、軽量小型でしかも機能充実で、かつ3万円台という事で評判が良かった。
 ただ、軽量小型という事は、容量も少ないという事である。スペックを見ると、AC出力268Whとある。これを上の式に当てはめ、工場扇の消費電力で割ると、約2時間しか使えない。これでは一日持つかどうかといったところである。容量的にはEB70Sというのが良いなと思ったのだが、EB3Aと比べると機能がしょぼい。700WhくらいでEB3Aの機能があれば良かったのに、と思う。

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マキタの扇風機では威力不足


 ポタ電の事を調べてて気がついたのは、どのメーカーもソーラーパネルのラインナップがある事だ。出先でポタ電を充電するためであろうが、どのメーカーも十分実用に耐える性能を持っている様である。色んな機器を同時に使うのであれば、大容量大出力のポタ電である必要はあるが、一つ二つしか機器を使わないという事であれば、小容量でも小型のポタ電の方が取り回しが楽だろうし、ソーラーパネルで充電しつつ使うという手もあるのかもしれない。また、ポタ電は最近は停電等の防災用途としても強力にアピールしているのだが、こうしたオプションがあればこそ、防災用としても使えると称しているのだろう。

 なんにしても、導入するなら扇風機と冷蔵庫くらいは運用したいので、もうちょっと研究してみようと思う。予算の関係もあるので、今年の夏には間に合わないとは思うが。