こないだのWEX勝沼は、本当に楽しく走りたかった。晴れ続きで地面はいい感じに乾いてるだろうし、楽しんで走れると思っていた。普段、面倒くさがって出ないセクションスクールに出たのも、本番でしっかり走りたかったからだ。そのセクションスクールで、結構難儀したものの、それでも自分の改善点が見えたのは収穫と感じていた。
 それなのに、本番朝、雨が降った時には、本当に悩んだ。雨の勝沼は、危険なのだ。先月の練習でも、ただ転けただけなのに、打ち身で3日もうなっていたのである。



 今回、あいにく月曜日は職場の防災訓練で全員参加で休みが取れなかった。だから、怪我は言うに及ばず、打ち身さえもこさえる事が出来無い。ざんざん降る雨を見ながら考えていた事は、「怪我は出来んなぁ。走るのは止めといた方がいいやろな」「しかし、走らんというと、周りから結構あれこれ言われるやろなぁ」「しかし、最後くらい、ちゃんと走りたかったなぁ」といった事。結局、行くだけ行ってみて、ヤバそうだったら撤退する事にした。そして結果的には、大幅なコースカットにも助けられ、それなりに走れた。こういうのは、出てみない事には分からないものなのである。
 しかし、10年この方、この趣味やってきてるが、芽の出ない事甚だしい。まぁ、それも才能のなさ、才能の代わりに努力しようとする気のなさ、下手の横好きで甘んじているからである。しかし、それでも10年続いているというのは、大したもんだと思う。店や仲間に恵まれた、というのが大きな要素ではあるが、やっぱり自分の興味が尽きないのが大きい。
 なるほど、10年もやっていれば、始めたばかりの頃の情熱は過去のものになっていて、ある意味、惰性でやっているところもある。それでも続けているのは、まだ「飽き切ってはいない」という事だろう。この趣味において、2014年以降、自分が志向したのは、「乗りやすいバイクを手に入れる」という事である。それがやっと実ったものの、それを使いこなし、飽きるところにはまだ到底届いていない。
 だから、えらい目に遭おうと、結果が奮わなかろうと、途中で嫌になって走るの止めたりしても、「もうこの趣味やめた!」とはならないのだろう。3日もしたら、「あそこはこうしよう、ここはこうしよう」と思いを巡らせ出すのだ。そうして、えいえいと10年やってきた。
 残念ながら、自分は他の人みたいに、初めて1〜2年でそこそこ出来るようになる様な、そうした能や結果は出せる方向でこの趣味に取り組めないのであろう。自分がこの趣味で得ているのは、果てしなき探求なんだと思う。それもかなりレベルの低いところでである。しかし、いつも思うのは、鉄棒の逆上がりも跳び箱も出来なかった自分が、こういう趣味やってる事自体が凄いのだ、と。

とはいえ、自分も「出来る子」でありたかった