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 今日は神保町で研修があった。神保町は自分にとっては馴染みが深い、というか、思い出深い街である。今をさる事、33年前。東京に出て来て初めて住んだ街が文京区の白山で、都営三田線で行き来できる一番近い賑やかな所であった。友達もおらず、金もなく、やる事も、したい事もない自分が、ほっつき歩いた街なのだ。その後、水道橋と御茶ノ水の間にある専門学校に行った時も、アウトドアの趣味を始めた時も、神保町は結構重要な街だったのである。
 だった、と過去形で書いたのは、今では滅多に用事がなくなったからである。神保町自体、歩くのはもしかしたら、争議が終わって以来くらいかもしれない。神田神保町の方にはエルブレスとかある関係でちょいちょい顔を出しいたが、それも四街道に引っ越してからは、顔だしてる余裕がなくなった。ましてや、通勤駅である御茶ノ水の先の神保町となれば、なおの事だったのだ。なので今日は久々だったのだが、昔、よく出入りしてた店の大半が姿を消し、研数学館の建物がなくなってたりと、ちょっと寂しい感じになっていた。

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 そんな中、今日はどうしても行きたい店があった。それは、まんてんというカレー屋である。まんてんが今でも営業しているのは、ネットの情報で知っていたのだが、めっきり用事がなくなった神保町なので、久しく行っていない。おそらく、最後にまんてんのライスカレーを食べたのは、今から30年ほど前じゃなかろうか。久々どころの話しではないのだ。
 あまりに久々過ぎて、店の場所を見逃してしばらくウロウロしてたが、昔と同じ所に店はあった。表通りは結構様変わりしてるのに、裏通りにあるこの店は、30年間まったく変わってない。改装してないどころか、外に出ている蝋細工のメニューも30年前のが置いてるんじゃなかろうかと思うくらい同じものだった。

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 店には自分と同じくらいの年恰好のおっさんの客が何人かいて、時間が時間なのにそれなりに繁盛してる感じだった。昼間なら近所の食い盛りの学生がわんさか来ているはずである。30年前は二言目には「すみません」というおっさんが店を切り盛りしてたが、今日は若いにーちゃんが一人だった。おっさんはもう引退したのかもしれない。とすると、それでもなお店が続いているというのは、結構すごい事である。
 ところで、このまんてんのカレーというのは、ルウとミンチ肉以外入ってない、シンプルなカレーである。他の具材は入っていない。トッピングとして、トンカツだのウインナーだのシュウマイだのの揚げ物がある。しかし、かつて貧乏たれだった自分は、とにかく量の食えるトッピングなしのジャンボカレーしか食べた事がなかった。今は残念ながら、そんな大食いは出来ないので、カツカレーを注文。カツカレーは、あの時、食いたくても食えなかった「高級メニュー」だったのだ。

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 おそらく30年ぶりに口にするまんてんのライスカレー。味は確かに、こんな感じだった。おそらくカレー粉から作ったカレーだと思うのだが、シンプルなのに美味い。自分は醤油をかけて食べるのが好きだった。あの頃のままの味だった。
 あのあと、自分は色んな事があって、いろいろ変わりもしたのだが、相変わらずデブで、いかにもデブが好きそうな物が相変わらず好きなところは、変わってないなぁ、と感じた。嫁さんがこんなカレーだそうものなら、ひとしきり文句いうに違いないのに、この店では今でも喜んで食べている。これは若かりし独身時代の味なのだ。