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 XR250からCRF250Rに乗り換える頃、よく言われたのが「トレール車にいくら金を注ぎ込んでも無駄」という事だった。ある側面においては、これは正解だと思う。どんなにトレール車を改装しても、モトクロッサーやエンデュランサーといった、専用のレース車両には太刀打ち出来ないのである。
 しかし、別の視点で考えれば、各々のレース車両は、それぞれのレースで最大の威力を発揮できる様に特化された物が多く、その意味では汎用性は落ちる。1台で色んな事が出来る、という訳には行かないのだ。今、綿々と改装を続けているXR230は、モトクロスコースもそこそこ走れるし、エンデューロもそこそこ走れるし、トレールトライアルもそこそこやれるし、おそらく、ジムカーナやモタードもそこそこやれると思うのである。もちろん、保安部品を取り付ければ、ツーリングや通勤もそこそここなすのである。車高も低いから、身長の低い女の子でもそこそこ乗れるのである。XR230はそれだけのポテンシャルを持ったオフロードバイクである。
 オールマイティというのは、器用貧乏なところがあって、そこそこまでの事しか出来ない、という事でもある。しかし、これからバイクの趣味始めますーという人や、自分みたいにいつまで経っても大成の気配の見えない人にとっては、ギンギンのレース車両よりも、そこそこのトレールの方が楽しめるんじゃないのか、というのが最近の自分の考えである。レース車両でそこそこ楽しもうと思ったら、案外頑張らなきゃならなかったりするのだが、頑張らなきゃならない時点で趣味としてはどうよ?ってのがあるのだ。
 もちろん、モトクロスコースを走るのなら、モトクロッサーで走った方が楽しい訳で、CRF250Rで走って楽しいコースをわざわざXR230で走ろうとは思わない。自分の活動の軸は、CRF250RからXR230で出来る範囲が中心であって、例えばまったく畑違いのトライアルを、ガチのトラ車を買ってまでやろうとは思わない。そんな時に、オールマイティに使えるトレール車というのは、便利なんだと思う。もっとも、そんなオフ車が減ってるのが昨今の状況だけど。
 XR230をあれこれお金かけて弄るのは、自分がXR230ならそこそこ乗れるからで、CRF250Rは持ってるポテンシャルの4割も引き出せてないから、改装する意義をあまり見出せないんだと思う。しかしまぁ、バイク弄るのもバイクの楽しみの一つである訳だから、その意味で「トレール車にいくら金を注ぎ込んでも無駄」とは一概に言い切れない、というのが最近の考えなのだ。