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 今使っているキャプテンスタッグの飯盒は、2006年くらいから使っているもので、いい加減塗装があちこち剥げてきた。それはそれで風格があって好きなのだが、某所で飯盒オフの企画の一環で、日本陸軍風の飯盒に塗り替えよう!という話が盛り上がったので、チャレンジしてみる事にした。
 最初は、単純かつ簡単にスプレーで色を塗り替えたらいいや、くらいにしか考えてなかったのだが、問題はその色。今売られている飯盒は大抵は黒みがかった緑で、自衛隊や他の軍隊ではいわゆるオリーブドラブで塗られていて、これらの色はスプレーでも比較的入手しやすいのだが、旧陸軍のいわゆる「カーキ色」は実はズバコンの色がないという事に気がついたのだ。そもそもカーキと言っても、いろいろあって、メーカーによっても違ってて、一口に国防色チックな感じでないのである。
 そこへ持ってきて、見本となるべき旧陸軍の飯盒の色が、それこそバラバラといってよく、赤みがかった茶色から緑がかった黒っぽいのまで、千差万別なのである。一応は軍指定の色配合があったんだと思うけど、昔は顔料を漆で練って刷毛塗りしてたらしいので、そりゃ手作り感満載の出来映えで、かつ経年劣化や火にかけて熱して変色したってのもあるだろうから、そりゃもう、それっぽく塗ってあれば何でもOKという感じになった。
 さて、次の問題は、塗料屋の色見本があまり当てにならない、という事でった。画面では暗く見えてても実際来たらメッチャ明るかったとか、キャップの色目見て買って実際噴いたらエラい暗いんでおかしいと思ったら、缶に貼ってあった色見本はエラい暗かった、という具合で、当てにならないのである。結局、ライトカーキー、ブラウン、カーキーと順々に買っていったが、ライトカーキーは日本陸軍というよりドイツアフリカ軍団とかで使いそうなデザート色で、ブラウンはビターチョコレートの色、カーキーは薄赤紫入った茶色、という具合で、どれとしてピタっとくる物はなかった。
 そこで、ものは試しという事で、ブラウンとライトカーキーを薄く交互に噴いてみる事にした。具体的には、前の色を噴いたら直ちに次ぎの色を噴く、という具合で混在させる事にしたのだ。よくストリートアートとかでやってる手法である。すると、いい感じに日本陸軍の飯盒っぽい茶色になった。まぁ、出来ればちょっと緑がかってれば更に良かったが、この手の色のもあるから良しとした。
 本来は刷毛塗りなので、刷毛の筋があってもおかしくないところだが、この飯盒はスプレーの粒子が見える仕様である。まぁ3メートル離れたら分からないので良しとした。ちなみに、塗装した状態でストーブにのせても塗料が溶けたり燃えたりしないという事は、実験で証明済みである。火にかけて一発目はシンナー臭がするが、直ぐ消える。塗膜が剥げたりするが、それは買ってきた飯盒だって剥げるのでそういう仕様である。
 何にせよ、飯盒と言えば黒か濃緑といったイメージだったが、むしろ日本的にはこの色こそが飯盒の色なんだろうな、と改めて感じた。