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 アウトドアショップや防災コーナーに行くと、売っているロウソクは大抵直径3〜5センチの太い物である。そのせいもあって、太いロウソクの方が長持ちして明るいイメージがある。ところが、実際に使ってみると、案外使い勝手があまりよろしくない事に気づかされる。
 最初は確かに明るいのだが、その熱でロウがどんどん溶けていき、溶けたロウがプールの様になってくる。すると喫水が上がるので相対的に芯が短くなって暗くなる。それでも燃えているからどんどんロウを溶かしていって、それ以上溜まれなったロウは、一気に決壊してどどーっと流れてしまう。すると、喫水が下がって芯が長くなるので、また明るくなる。すると芯を中心にロウを溶かしながら、またロウのプールを作り出す。太いロウソクだと、外側のロウは残って壁の様になる。ところが、ロウのプールがある程度たまってくると、この壁も溶けたロウの熱が溶かし、また決壊する。その様な具合で、かなりのロウが燃えずに流れてしまうのだ。太いロウソクは、太いだけあって台などなくても自立してくれるのだが、定期的に溶けすぎたロウが流れるので、皿かなにかで受けておかないと地面がロウだらけになってしまう。
 これはロウソクの太さに対して芯が細いから起こる現象なのだが、だからといって芯を太くしたら物凄い火になってしまうので、そうそう太い芯にも出来ない。だから、太いロウソクはロウが無駄に流れてしまうもんだ、と心得て使わないと、かなりショックを受ける。
 その点、仏壇ロウソクはよく出来たロウソクで、こうしたロウのプールとか決壊みたいな無駄がない。ロウソクの太さと芯の太さのバランスが取れているせいか、良く燃えて常に明るい。確かに自立はしないので、花火とかやる時みたいに、最初にロウを垂らしてその上に立てる必要がある。長いロウソクはただ立ってるだけで不安定である。しかし、考えようによっては、何時間も燃え続けるよりも、1時間使い切りの方が便利なのではないだろうか。一晩中起きているなんて事はないのだし、もし途中でなくなったら新しいのを立てれば良い。むしろ、使いサシが残る方が面倒な気がする(キャンドルランタンならまだしもだ)。自分は家では1時間20分燃える1.5号のロウソクを使っているのだが、太さ9ミリ、長さは10センチ程度の細長いロウソクだが、ちゃんと立てれば多少動かしても倒れる事はないし、明るさもキャンプ用の太いロウソクに負けない明るさである。これが24本も入って105円なのであるから、キャンプ用の太いロウソクなぞおかしくて買えないのである(それでも魅力たっぷりで気にはなるが…)