ベルボンのエル・カルマーニュ740が到着して、実際に家の近所で使ってみて、これはこれは大変な三脚を買ったわい、と正直思った。まぁ、大判カメラ用の三脚として買ったのだが、それにしても4キロ近い重量である。図体もでかい。しかも重くて嵩張るのは三脚だけではない。カメラ本体やレンズ、フィルムのフォルダなどなど、一眼レフとは比べものにならないキャパシティなのだ。要するに、今まではオマケみたいだった撮影機材が、一気に主役になった訳である。まぁ、撮影が主任務の作戦をやるんだから、当たり前と言えば当たり前なのだが。
 これまでにも、野営装備の軽量小型化には気を配ってきたのだが、こりゃ、抜本的改革が必要かもしれない。自動車がなく、親からもらった二本の足以外に移動&輸送手段がないのであるから、肩に担ぐ負担は極力省かねばならないのだ。もっとも、その前に、どんな作戦を行うか、という事も再検討しなければならない。具体的に言えば、何日も泊まり込む様な作戦は、果たして可能なのかどうか、という事である。シュラフやテントはいうに及ばず、食料や水だって、大量には運べないのは確実である。となれば、行ける所にも制限が生まれてくるに違いないのだ。(意外と知られてないが、ドイツ軍の初期の電撃戦は、戦車をオーバーホールするまでの走行距離以内で完了する作戦ばかりであった。オーバーホールしとったのでは、神速即決の作戦にならんからである。だからロシア戦やアフリカ戦では勝てなかった)
 まぁ、蘊蓄はともかくとして、富嶽仙人さんによると、撮影の機材だけで、ざっと12キロ近くである。米袋のデカイのを背負って歩くのと同じくらいである。仮に20キロまで何とか忍耐できたとしても、あと8キロ分しか他の装備は持てない事になる。いや、本音をいうと12キロでもごちそうさまである。メイベル男爵みたいにお供に羊でも連れて歩かなければならなくなるかもしれない(こういう時に、ネコは本当に役立たずである。モンゴル人がネコを可愛がらない理由ははっきりしている)