今日、出勤の途中にアーケード街の写真屋に立ち寄り、本栖の写真が出来ているかどうか聞いてみた。予定では明日の筈なのだが、早ければ早いことに越した事はない。予想に漏れず、写真は出来ていた。ただし、今回は量が半端ではないので、取り敢えず値段を聞いてみた。写真屋のおじさんがこんもり膨らんだ袋をいくつも取り出し、おばさんが電卓を打ち出した。最初、8千円なにがしと表示したいたのを見て、「何だ、以外と安いじゃん」と思っていたら、とんでもない間違いで、それは一袋(フィルム1本に相当する)の値段であった。結局、合計で4万3千円もする事が判った。写真屋のおばさんが心配顔で電卓を差し出したが、まさかびっくりする訳にもいかず、取り敢えず今日は出勤途中だから、明日取りに行くと言い残して店を出た。内心はそれどころではなくて、どうやって金策するか考えをクルクル巡らせていたのだ。
 現像代がこれほど高かった理由は、幾つかある。第一に、合計8本使ったフィルムの内、5本がリバーサルフィルムだったからだ。5本で延べ120枚のスライド写真が撮れている。リバーサルを使った理由は、後日、何かの機会にみんなでスライドを楽しめる様にする為だ。本栖の大会は、その価値があると思ったのだ。ただし、現像代がそんなに高いとは本当に思っていなかった。あちこちで聞いて回った話では、フィルム自体は高いが(24枚撮のリバーサル1本がネガ3〜4本に匹敵する)、現像そのものはネガと変わりない、と聞いていたのだ。第二には、紙焼きを3枚ずつ頼んだ事だ。これは向こうさん用と自分用、そしてH少尉殿に頼まれたからだが、普通1回目のプリントの具合を見てから、必要な分だけ焼き増しするのだが、今回は枚数が多くしかもリバーサルを大量に含んでいるので、分別や再度紙焼きを頼むのが面倒で、一気に3枚も頼んだのである。中には何の価値もない失敗写真もあったろうから、これは無駄なやり方をしたものである。差第三は、これはとんでもないボンミスなのだが、二日目の夕方に全体写真をパノラマで撮影したのだが、その後、パノラマを解除した記憶がない。もしかしたら、その後の写真はずっとパノラマで撮影した恐れがある。これは家に帰ってからカメラを見れば判る事で、今の内から恐れている。もしそうだとすると、集合写真以降の写真はすべて失敗撮影をした事になり、現像代の打撃(パノラマは通常写真よりも高い)もさる事ながら、20数枚の写真がおじゃんになってしまっており、その打撃も大きい。しかもそれを3枚ずつ頼んでいるのだ。もしそうだとしたら、これは大失敗もいいところである。救いは、そのフィルムがネガである事だけだ。
 カメラというのは、一眼レフでも簡単に撮れるだけに、こうした細々したミスが多い。その大半は、無知とうっかりである。今回は個人史上希に見る大量撮影であり、そのミスの打撃は積もり積もって半端でなくなっている。これはもしかしたら(もしかしなくても)高い授業料を払う事になった。