恐るべき新事実、発覚! なんとノミ軍団は6畳間のカーペットだけでなく、寝室の板間でも発生していた! それが判ったのは、今から3時間前。仕事から帰ってきて(昨日は泊番だった)メールの確認やら伝言板の書き込みを済ませて、よっこらしょとベッドに腰掛けた時だった。オレの二本の足を、何者かが大群で這い上がって来る感触がしたのだ。何かと思って足下を見てみると、それは20匹を下らないノミの大群が、オレのナマ足(その時オレはパンツ一丁だった)を這い上がって来る光景だったのだ。虫酸が走るというのはこういう事であろうか。さすがのオレもぞぞぉ〜と来て、それでも捕まえれるだけのノミを捕まえて、6畳間に脱出した。恐るべき光景である。まるで、ここ数日のノミ殲滅作戦の報復に出たかの観があった。しかし、ビビっている場合ではない。むしろこれは絶好のチャンスである。奴らが姿を隠す前に、徹底してやっつけねばならない。オレは先に捕まえたノミをコロコロに引っ付けて処理し、コロコロを手にして寝室に入った。ノミどもは相変わらず跳梁跋扈(まさしくこの言葉が相応しい)している。こんのぉ〜、とばかりにコロコロを床に転がしたが、驚いた事にロールが床にベベっとへばりついてしまった。カーペットと違って、板間ではコロコロは使えないのである。そんなアホな様を笑うかの様に、ノミどもはベッドの下や散らかっている本の隙間に逃げ込んでしまった。慌ててガムテープを取り出し、攻撃を再開したが、半分以上を取り逃がしてしまったのである。
 そう、兆候がまったくなかった訳ではなかった。これまでにも、寝室の板間で何匹かのノミを撃破した事があったし、寝室に面した6畳間の部分は、どういう訳かノミが多かった。しかし、寝室のノミは6畳間から逃れた敗残ノミだと思っていたのだ。しかし、それは大きな間違いで、寝室のベッドの下の埃を温床にして、そこでもノミが活発に繁殖していたのだ。そして寝室に面した部分にノミが多かったのも、6畳間から寝室にノミが脱出していたのではなくて、逆に寝室から6畳間にノミが進出していた証拠なのだった。恐るべしネコノミ軍団! 高砂荘101号室のスターシップ・トゥルーパーズ大戦争は、新しい戦線を形成し始めたのである。