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 母方の祖母、和枝さんは死ぬまでスパゲティの事を「スパゲキ」としか発音出来なかったのだが、明治生まれの奈良のど田舎出の人でも、イタリアの洋麺の事はご存知だった様である。
 たにし家においても、スパゲキは時たま出たのであるが、その料理法はいわゆる「ナポリンタン」一本やりで、ミートソースは小学校の調理実習でしか食べた事がなった。何故、たにし母がミートソースを作らなかったのか、謎なのであるが、一考するに今みたいにミートソースの缶詰やレトルトがあまり出回ってなかったからか、高かったからであろう。一から作るとすれば、トマトソースだのミンチ肉だのでやる訳だが、そういうのが面倒だったのか。とにかく、玉ねぎとピーマンをスライスして炒めたのに、スパゲキをぶち込んで、ケチャップで絡めるアレが、たにし家ではメインであった。
 なので、ミートソースに対する憧れは相当なものがあって、自立してから暫くは、スパゲキはミートソースでばかり食べていた。が、ここである問題に直面する事になった。それは、スパゲティはいくら食っても、2時間後には腹が減るのである。それこそ、3束くらいまとめて湯がいて、これ以上食えんというくらい食っても、2時間後くらいには腹が減ってしまうのである。この現象は自分だけの事かと長い間黙っていたのであるが、調べてみれば、自分以外にもそういう人は居るらしくて安心した。
 どうしてスパゲキを食べるとそうなるのか、科学的に説明してくれた人はいない。むしろ逆に、腹持ち良いなんて人もいるから、体質的なものなのかもしれない。しかし自分に関する限り、スパゲキは腹が空くのである。トコロテンみたいに、そもそもカロリーが低いとかいうなら、いくら食っても水腹は一時で直ぐに腹は空くであろう。しかし、かりそめにも小麦粉で出来ているんだから、低カロリーなんて事はないだろう。となると、カロリーあるもん食ってるのに、あとでさらにカロリー追加せねばならんという、極めてコスパの悪いデブる食品ではないか、と思うのだ。
 しかし、そんなコスパの悪い食い物なら、ここまで長らえて来なかっただろうし、人気もないであろう。かくいう自分も、スパゲキは好きなのである。となると、食べ方に問題がある。というか工夫が要るのではないのか。
 例えば、たにし家でスパゲキが出た時は、食後に腹が減ったなどという記憶がない。恐らく、野菜やハムなどが一緒に入ってて、そっちが腹持ち良かったのかもしれない。イタリア人だって、パスタしか食べないなんて事はないんじゃなかろうか。ラーメンライスみたいに、麺以外に主食級の何かを食べているかもしれない。恐らく、スパゲティミートソースとご飯を一緒に食べたら、あんな風に腹が減らないんじゃないかと思う。
 という訳で、嫁さんには、スパゲキとミートソースの順番を間違えても良いから、腹減らん様に他のも付ける様に工夫して貰わねばならない。