今朝、起きてみると、 シロフサが、また台所でうんこしてた。 おしっこは、ちゃんと砂箱でしてるのに。 しかも、その砂箱は昨日、砂を替えたばかりなのに。 うんこだけ、しっかり板間でしてる。 砂箱からは、わずかに50センチしか離れてないのである。
 見た途端、すごく機嫌が悪くなった。 「おはよう」と巣箱から出てきたシロフサをうんこまで持って行き、 背中をポンポン叩きながら、
「ここでなんでウンコするんだよ、砂箱でしろよ、お前」
 と叱りつけた。 さすがに具合が悪いと思ったのか、後ずさりして逃げようとする。 まぁ、何で叱られてるのかは判ってないのだろう。 叩いたところで、判りっこないのだ。
 その後も、ブリブリ怒りながら、エサの用意をした。 怒ってたせいか、昨日開けて半分残してあったネコ缶があるのを忘れて、 新しいのを開けてしまった。 エサに抗生剤を混ぜながら、シロフサに宣言した。
「この次、砂箱の外でうんこしたら、お前、捨てるからね」
 古来、下癖の悪いネコは捨てられる不文律である。 共同生活を送る上で、もっともシビアな問題だからだ。 シロフサが捨てられて、ボロボロになったそもそもの理由は、 こういう事情だったのかもしれない。 だとしたら、捨てられても仕方ないところがある。
 いくら気位が高いといっても、エサくれる人がガミガミ怒ってる事は、 さすがネコでも判るらしい。 神妙な態度をしつつ、エサをガツガツ食っていたが、 櫛で毛を梳いてやると、喉をゴロゴロならしていた。