昨日は名ばかりの泊番で、あっけもなく終電前に帰ってきた。しかし、泊番の昼間はたいがい昼過ぎまで寝てるので、夜はまったく寝れない。だらか、テレホーダイをやってるのをいい事に、インターネットをしまくるのだが(どんなインターネットかは、想像に任せる)、接続を切る直前に「Mosaic」というブラウザをダウンロードしてみる気になった。Mosaicというのは、ご存じの方も多いと思うがいわゆるブラウザソフトの元祖で、ネスケもIEも、これをご先祖としている由緒あるブラウザソフトである。しかし元々、大学生のサークルが作ったも同然のソフトで、商売っ気がないらしく、その為もあって性能的には切磋琢磨される事がなかったから、あっという間にネスケやIEに性能を追い越されてしまって、今では使っている人を探す方が大変そうである。
 さて、いまや没落?の一途を辿ってそうに見えるそんなブラウザを落とす気にになったのは、自分のHPがこの老舗のブラウザではどう見えるのか、見てみたかったからだ。オレが標準で使っているネスケは兎も角として、他のブラウザと言えばIEくらいしか試した事がない。もっとも、オレはネスケが一番(と二番しかないが)使いやすいと思っているので、アップル社がどんだけIEを標準ブラウザに仕立て上げても、オレはネスケを使い続けるつもりなのだが、HP作成者としては、IEでどう見えるのかも知って置かねばならない。実に困った事だが、ネスケとIEでは機能に違いがあったり、こっちでは有るのにあっちでは無い、という事がしばしばあるので、確かめるに越した事はない。そんな訳で、ネスケとIEがオレの9600/233には積んであるのだが、さすがにモザイクは積んでいなかったのである。
 さて、NCSAのサイトからマック用のアーカイブを探し出し(ヤフーでMosaicとかNCSAで検索すると直ぐ出てくる)、ベータ版でないversion2.0.1をダウンロードする。圧縮ファイルでも2MBないという軽かる版である。今時、こんな軽いブラウザソフトはお目に掛かれない。あっという間にダウンロードが完了し、瞬時に解凍。そしてモザイクを起ち上げてみると、何というインターフェイスのしょぼさ。ネスケのバージョン1の頃に近い。落としたのは英語版で(日本語版など存在するのであろうか?)、元より使い方など知らない。しかし、そこはデジタルの神の子であるから、それとなしに触っている内に、URLの読み込み方を知り、早速このHPを読んでみた。明け方なのでサーバも空きまくっているらしく、直ぐにデータを落としてくる。そしてビックシ! 全部文字化け、しかも画像ファイルは読み落とし。まったくHPの表示がなってないのである。英語版であるから、日本語は表示できないのは仕方ないとして、せめてレイアウトと画像くらいは読んで欲しかったのだが、まったくダメ。どうにも処置ナシである。
 そう言えば、ネットサーフしながらモザイクの情報を集めていた時(実はモザイク処理した猥褻画像を扱ったHPの方が多かった)、モザイク対応のHPの作り方、とか、ネスケ/IE偏重のHP作りに抗議する、みたいな事を書いたHPがあって、不思議に思っていた。そもそも、htmlというのは、マルチプラットホームだった筈である。それが、ネスケやIEで通用しても、モザイクでまともに見えないと言うのは、おかしな話しである。モザイクがなければ、htmlもネスケもIEも無かった事を考えると(この表現は問題があるな。htmlを読み込む媒体としてモザイクが作られたのだから)、htmlで書かれた書類は、モザイクでも十分に読めなければならない筈である。
 しかし、よく考えてみると、その謎は簡単に解けた。つまり、モザイク君は最近のhtmlに対応してないだけの話しである。最近のhtmlは益々進化して、色んな機能を持っている。ネスケもIEもバーションアップする度に、それに対応しようとしている。しかし、商売っ気のないモザイク君は、そんなもんお構いなしで、判らないタグは放ったらかしで表示もしないのだろう。独立独歩と言おうか、ユーザーにしてみれば、これほど使えないブラウザはあるまい。だが、オレが驚いたのは、こんな使えないブラウザでも熱狂的なファンがいて、「モザイクで見えないHPを作る奴はけしからん」と息巻いている人も現に居る、という事だ。これはこれでスゴイ事である。