エンデューロを始めた当初から言われていたのは、「自走は危険だからトランポを買いなさい」という事。レースの事はなんも判らなくても、バイクを車に積んで移動した方が良さそうな事は、飛行機を空母に積んで前線に運んだ方が有利な程度に理解できていた。が、トランポに手を出そうとしなかったのには、それなりの理由がある。
 まず、自動車に興味が全然ない、という事だ。一応、普通免許は持ってはいるのだが、これは昔、中型二輪を取る時に「ついで」に取ったようなもので、車に乗りたくて取った訳ではない。従って、20年来のペーパードライバーである。
 ペーパードライバーなだけに、車を運転するのが怖い、というのもあって、トランポに手を出さないというのも理由の一つだ。もっとも、車は誰でも乗っているし、また乗れる様にも作られているはずである。慣れてる人に言わせると1〜2ヶ月も乗っていれば、手足の様に使える様になる、との事だ。
 3つ目の理由は、財政的な問題である。税金や保険料は仕方ないにしても、都内では駐車場代がバカにならないのである。昔、まだ部隊をやっていた時に、いちいち迎えに来て貰わなくて良いように、自動車を買おうと思った事があったが、当時付き合いのあったガソリンスタンドのオッサンに駐車場代を聞いたら、月38,000円だと言われて諦めた事がった。
 その様な訳で、自動車はまったく手つかずであったのだが、ここへ来て急に必要性を感じる様になってきたのは、やはりエンデューロのせいである。ツーリングはバイクで自走していくのが当然であるし、また雨が降ったら行かなければ良いだけだし、自分が走れなさそうな所は走らないだけの話しである。しかしエンデューロの場合はそうではない。それだけに、怪我や故障の危険性が高い。大ケガした時はトランポがあっても救急車のお世話にならざるを得ないが、9月の膝の怪我くらいなら、AT車なら乗って帰れる。何より、バイクが壊れた時、自走だとどうにも処置無しだが、トランポがあれば持って帰る事は出来る。そういった訳で、その必要性は十分認めるところとなったのだ。
 とは言っても、財政問題は深刻である。だから、勢い4ナンバーのワンボックス、という訳にも行かないだろう。取り敢えずは、XR250クラスのバイクが1台搭載出来れば、軽ワゴンでも可、という事になる。しかも中古車だ。諸経費入れても50万円以上は今はキャッシュで動かせないのである。いよいよ労金でローンを組む事になるのだろうか。。