昨日、錦糸町の楽天地で、マイケル・ムーアの『華氏911』を見てきた。予告編とかCMのイメージから、どんなジョージ・ブッシュのコケの仕方をしてるのか、と楽しみにしてたら、なんとクソ真面目なドキュメンタリーでガックリ来た。正直言ってつまらない。ああいう映画がなんかの賞を取るのだから、アメリカという国もおめでたい国である。
 ぶっちゃけた話しをすれば、3年前の同時多発テロから今のイラク戦争に至る「裏の経緯」は、だいたいみんなが予想してる。だから、『華氏911』で露わにされた内容は、近所の銭湯とか飲み屋に行けば、くたびれたオッサン連中が知ったかぶりで小高に話ししてる。それを、すでに報道されたニュースやインタビューを使って証明したのが前半の内容。後半は、というと、イラク戦争に従軍した兵隊や、そこで死んだ兵隊の遺族の声をインタビューしたり、ドキュメントしてる。要するに、戦争はイヤだ、なんで死んだの、といった声なのだが、そんなもんはNHKの特集番組なんかで良くやってるので、我々の目には別に目新しいもんじゃない。しかし、恐らくはアメリカ人にとっては衝撃的なドキュメントなんだろう。CNNとかが絶対に取り上げない声なんだろうな。
 率直な感想としては、「あんたら、今さら何言ってるの?」と言った感じだった。政治家が私利私欲で戦争始めるのは始まった事じゃない。戦争に行きゃ、死んだり手足が吹っ飛んだり、女子供を殺したり、そういうのは当たり前だ。だから戦争はいかんとも思う訳だ。自衛の為の戦争まで放棄してしまった日本の国民は、それは自衛の為の戦争でも、悲惨な目に遭うのは自分らだという事がよく分かったからだ。アメちゃんはそこら辺がまだよく判ってない。だから『華氏911』は衝撃的なんだろう。
 ただ、マイケル・ムーアって人はエライな、と思ったのは、ジョージ・ブッシュほどコケにしやすい大統領はいないのに、コケにする事で侮らなかった事だ。それと戦争には反対しているが、それに従事する(しなければならない)人々に深い敬意と愛情をもっている事だ。そういった意味では、賞に十分値する人物である。