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 10月15日に古いオプティマスNo.45が届いてから、ずっとレストアの日々なのだが、ようやく昨日、定格通りの火力を発揮するところまで持って来た。まだ作業が終わった訳ではないのだが、ここまでのレストアと初めてのケロシンストーブの使い勝手で感じた事を雑記しておく。
 まずレストア作業であるが、それをやる事に直面した時は、非常に面倒くさい感じがして、下手をつかまされた気分になるのだが、作業そのものはそれほど難しいものではない。工具があって段取りが分れば、どうにも手がつけられないほど難しいものではなかった。もちろん、ネットで情報を集めたり、日本飯盒教会のフォロワーさんからの手厚いアドバイスがあったればこそで、それがなかったらここまで持ってくるのは無理だったろう。
 不完全ながらも使えるレベルまで持って来たのだが、実際に使ってみての感想は、風に弱く火力が弱いなぁ、という事だった。具体的には、2リットルのヤカンを沸かすのに24分掛かってもボコボコと沸騰しない(コールマンのフェザーストーブなら約12分でボッコボコ)、2合のメシを飯盒で炊く場合でも、強火5分弱火6分で、強火も蓋が持ち上がるほど沸騰しない。そして弱火もうっかり弱過ぎたりすると、風で直ぐ火が消えてしまい、慌ててマッチで再点火しなければならない。火力云々の使い勝手でいうなら、コールマンのガソリンストーブの方が全然が安心してメシが炊けるし、湯も沸かせる。これらと比較するなら、確かに火力が弱いという事になる。
 しかし、比べる対象が間違っているのではないか、という事に気が付いた。ケロシンストーブが特許申請したのは、1889年の事である。今から126年も昔である。それに対して、コールマンの442や550は1980年代の製品である。ケロストに対して、軽く100年後の未来の製品なのだ。蒸気機関車と新幹線の違いなのだ。そりゃ、性能が劣って当然である。しかし、今でも蒸気機関車のファンは多いし、ケロシンストーブもまた然りなのだ。
 その魅力については、ここでは一々述べないが、大事な事は、126年前の目線を持つ必要がある、という事だ。そうでなければ、このストーブを現代においても活用する事は出来ないのではなかろうか。それを踏まえた上で、出来る限り現代製品に近い性能を引き出す工夫とか、使える条件とか環境とか、そういったものを見出せば良いのではなかろうか。別に、新幹線を蒸気機関車の代替として使おうとする必要はないのだ。

 と、偉そうな事を書いた訳だが、実はがっかりした結果、自分の中で折り合いを付けたのが上記の考察である。本当は、自宅のガスコンロの代わりにこれが使えたら、道具も無駄にならず、ガス代も浮くだろうと考えたのだ。まぁ、ガス代の方が安そうだから、道具を使える事の方が大事だったのだ。実際、飯盒は飯盒で炊いた飯の方が美味いので、炊飯器を片付けさせる威力を発揮した。それに近い事をケロストにも期待したのだ。ただ、その期待にケロストが応えそうにないので、目線を下げただけの事である。
 なので、あくまでこれは趣味の道具、現代的な実用に供するにはチトしんどい、と考えるべきである。