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 新居にはそこそこ大きな庭がある。自分は別に庭に興味が無いのであるが、田舎出の嫁さんの希望により、小規模な畑が出来る程度の庭のあるウチにしたのだ。ちなみに、この近辺の家には全部と言っていいほど庭がある。高級住宅地だったからだ。
 “だったから”と過去形で言うのは、そこの住民の大半が高齢化していて、ちらほら空き家も出始めていて、過疎化が始まりつつあるからだ。そんな地域だからこそ安くで買う事が出来たのだ。そして高齢化した家の庭というのは、手入れが行き届かず、見るも無惨な状態になっている所もある。実は自分が越して来た家もそんな感じだった。
 遺構(といっても良いと思うのだが)から、売主さんが元々どうしていたのかを読み取ろうとするのであるが、それが分からんくらい、木は枯れ、雑草は生え放題。舗装された通路は崩壊しかけ、コンクリートの上に土が出来て、雑草だかなんだか分からんもんが生えている、そんな感じだったのだ。それどころか、道路の側溝の蓋から、根太い雑草が生えていたりもした。とにかく、目障り以外の何者でもないので、家の中の事が落ち着き始めてから、雑草の除去を始めた。
 ところが、これは一筋縄ではいなかない。草むしりなんて生優しいもんじゃなくて、実質的に開墾である。雑草を抜いているうちはまだ良かったのだが、枯れた木の根や、庭石の下から生えたゴツい植物など、円匙と十字鍬で掘り返さないと抜けない。出勤前のわずかな自由時間は、肉体労働でヘトヘトになる羽目になった。しかも、やたらと広いので、まだまだ先が長いのだ。
 とはいえ、庭をどうにかしない事には、玄関と駐車場から、バイクと野営の荷物を置いている納屋にアクセスするのが難儀なのである。また、庭から家のコンクリ部分に土が上がり込むので気色が良くない。とにかく、雑草を抜き、余計な枝を切り、コンクリと土の境界にブロックなり庭石なりを敷設して棲み分けをさせ、通路を舗装し直さねばならない。
 こうした作業は、別に好きでもなければ興味がある訳でもない。草むしりだって小学校以来じゃないかと思う。ブロックの設置だの玉砂利の敷き直しだのも、別に誰かに習った訳でもなければ勉強した訳でもない。やらないかんという任務感と、若干のセンスでやっているのだ。