0b3ef76e6fc9b5a8fd9b47bc0ccd4a3e

 古いカメラを貰って来た。どのくらい古いのかというと、カメラのカバーに「一九五五、五、八」と書いてあったから、少なくとも今から62年前のカメラである。オリンパス SIX、いわゆるスプリングカメラという奴だ。先の大戦後、日本のカメラ業界は活況を呈して、頭文字がAからZまで揃うと言われるほど、零細メーカーが乱立していた時代があったそうだが、まさにその時代の品物である。見た目の程度がとても良かったので、貰って帰る事にした。
 このカメラを貰って帰ったのは、前々からスプリングカメラが欲しいと思っていたのもあるのだが、「どうせ使うなら、より難しくて面倒くさいもの」という、カメラに対する方針があったからだ。以前持っていたローライコードも大抵は面倒くさいカメラだったが、今回貰って来たのはより面倒くさい。ファインダーを覗いたって、ピントが合ってるかどうかさえ分からないのだ。もちろん、露出計も付いてない。そもそも、使い方が分からないので、一から勉強しなければならない。
 もう一つは、6×6判が撮りたかったのだ。6×6判で、かつ比較的軽いカメラである。実はマミヤプレスとかマミヤ645といった、結構お値打ちのカメラ(しかもキレイでフルセット)もあったのだが、クッソ重たいカメラは使う気にならない。それらのカメラの方が写真の精度は良いのかもしれないが、そういうのを求めていないのだ。
 明らかにモノとしてはキレイだし、シャッターもきっちり切れたのだが、何せ半世紀以上前の製品だし、最後に使って何年経ってるか分からない。なので、使う前に整備に出したいと思う訳だが、この手のカメラを整備に出した事がないので、まずどこに出すかを探している。バイクにしてもそうだが、良いものは整備してやればもっと良くなる。せっかく貰った物なのだから、使える様にしたいものである。