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 なんとなしに、18歳で東京に出てきて初めて住んだ街をグーグルマップで調べてたら、その時住んでたアパートが今だに残っている事が分かった。四畳半1間、トイレ共同、かろうじて台所は部屋にあったが、換気扇などない古びたアパートだった。でも、現時点で築51年というから、当時は築20年くらいだった事になる。いや、当時でさえ軽く築40年は逝ってそうな古び方だったが。
 確か、家賃は2万円で共益費が1000円だった気がしたが、今は2.7万円するそうだ。畳でなくフローリングになってたり、木枠の窓がアルミサッシになってたり、壁が白くなってたりするが、流し台とか押し入れの中とか、エントランスと称する玄関とか、その周囲のゴチャゴチャした路地とかは、当時のままだった。懐かしいというか、ようこんなトコに住んでたな。今住んでる人には悪いけど、率直にそう感じた。
 しかしまぁ、これが自分の原点であり、ルーツである。自分の東京生活がちっとも華やかなイメージでないのは、こうした小汚いアパートでばっかり住んでいたからである。でも、こうしたアパートの方が、大家さんはじめ、優しくて気のいい人が沢山いた気がする。こうしたアパートは、どんどん潰されて、オサレなマンションや一軒家に置き換わっているのであるが、実は今住んでる近所にも、似た様な風体のアパートが残ってて、明らかに独居のジジイが(しかも一人だけ)住んでたりする。
 なんとなく、いつか原点に立ち戻る時が来る予感がする。