2020-04-05 14.08.10
■30年後の今でも様々な影響を俺に与え続けている漫画、前川つかさの「大東京ビンボー生活マニュアル」
(本棚持ち歩き隊! 

 のり弁の存在は、前川つかさの『大東京ビンボー生活マニュアル』で東京に出てくる前から知っていたのであるが、そののり弁を食べたのは、今日が初めてなのである。嫁さんが「ほっともっとの弁当を食べたい」と言い出して、コロナ自粛で顔突き合わせてる時間も長く、コロナDVとまで行かなくても、それなりにストレスもあろうから、まぁいう事聞いたのである。ほっともっとには他にもメニューがあるのであるが、となれば、のり弁以外に目が向かないのは、この漫画のお陰というか、影響である。
 この漫画で描かれたのり弁は、いわゆるほっかほっか亭のであろうが、ウチの近所にはほっともっとしかない。なんだかよく分からん経緯で喧嘩別れしたらしいが、そのせいなのか、ほっともっとののり弁はコロッケでなく白身魚のフライである。白身魚のフライが好きな自分にとっては、こっちの方が嬉しい。本来なら、白身魚とちくわ天の300円のを買うべきだったが、鶏の唐揚げとメンチカツに惹かれて、90円高い特のりたる弁当を頼んだ。嫁さんは牛すき海老天重を頼んだが、写真の通り、ボリュームはのり弁の方が上である。まぁ、揚げ物メインではあるが。
 ところで、こののり弁を食べるのが今回初めて、というのには理由がある。その第一は、自分が住んでた所には、ほっともっとなりほっかほっか亭がなかった、という事。これでは買いようがない。しかし、それ以上に問題だったのが第二の理由、もっぱら経済的な理由であった。
 自分が東京に出てきたばかりの頃、夜勤の交通警備のバイトをしていたのであるが、これは天気にも左右される仕事で、月に大体16.5万円くらいしか稼げなかった。そして、それの使い道が以下の通りである。

貯金 100,000円
家賃 21,000円
風呂代 4,000円
洗濯代 2,000円
光熱費 3,000円
食費 30,000円
予備 5,000円

 16万そこらの収入で10万も貯金するなんてのは、無計画もいいところなのであるが、とにかく当時はうっかり都落ちなんかにならない様に、とにかくお金貯める事が大事と感じていたのだ。そして残ったお金をどう切り詰めても、上の表が精一杯で、外食なんてのは、月に一度、400円の牛丼大盛りを食べるのが精一杯だったのである。
 その後、季節は冬になり夜勤の寒さに耐えかねて交通警備のバイトはやめ、今度は一流ホテルの洗い場のバイトに移ったのだが、こっちは10時から22時までの勤務で従業員食堂での昼夕の食事が出て、月に30万円稼げる仕事だった。時代はバブル時代だったのである。となると、もはや食うものに困る事もなく、それまで飯盒でメシを炊いていたのもやめ、腹が減れば好きなものを食える様になった。おそらく、近所にほか弁屋があれば買ってたであろうが、なかった事もあって買う機会もなく、今日までやってきたのである。
 さて、今日食べたのり弁であるが、確かにその名に(逆の意味で)ふさわしくなくボリュームのある内容であったが、フライ物ならスーパーの惣菜でも買えるし、冷凍食品を揚げても良い訳で、わざわざ弁当屋に買いに行くほどでもないかなー、というのが率直な感想であった。30年になんなんとする自炊生活を経て、「店屋物より自炊の方が安上がり」という主婦的感覚が、こってりと身に沁みているのである。